三つの願い事

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「ほら、早く持ってってよ」 「なにを言っている?」 「三つ目の願いだよ」 「俺は貴様の望み通り、手紙を届けるという約束を果たし終えているのだぞ」 「いや違うよ悪魔。僕の願い事は『十年後の僕へ、僕の手紙を届ける()を悪魔にお願いした』んだ。だから、悪魔、君はまた僕の書いた手紙をまた十年後届けてくれ。よろしく」 「ぐあぁー!謀りおったな!」 そう言って悪魔は、僕の手紙をひったくりビリビリに破く。思う壷だった。 「なあ。悪魔、これ読んで。十年前の約束ごとだ。君は約束を破った。だから僕の魂は売れないな」 僕は十年前書かれた文面を悪魔に見せる。 そこには汚い字でこう書かれていた。 『ぼくへの手紙がやぶかれたり、読めなくなったらけいやくはむこうになると約束した』
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