かなこ

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かなこ

「10年後の私へ」 そう書かれた封筒が届いた。 少し警戒しながらそうっと封を開ける。 便箋が2枚。入っているのが見えた。 取り出して開く。 …あぁ…。私の字だ。 10年前、しん友と書いたのを思い出す。 「10年後の私へ、手紙書かない??」「いいよー。」 シンプルな会話。 だったような気がする。 内容は、今(10年前)の将来の夢や、部活の事など。 そういえばそんなこともあったかなぁ。と、思い出す。 すべて読み終え。封筒をのぞく。 「あれ……。」 一枚紙が残っていた。 ぴらっとしたその紙を取り出す。 そこには、なつかしい文字が並んでいた。 「かなこへ やあ。これ書きあったの覚えてる??私タイムカプセルとかあこがれてたんだよね~。付き合わせてごめんね~。でも結構よかったでしょ?10年後にも私達ってまだつながってるかな。つながってるよね。年賀状だけでも。でも、やっぱ一年に一回でも(少ないけど)二人で会う時間があったらいいな。あ、LINEはやってるでしょ!だから、そんなにつながりがぶつって切れることはないと思う!でも私、どうなるか分かんないからなぁ。高校で新しくしん友つくってたり、彼氏つくってかなこのことほったらかしにしちゃったり、してる気がする。…ごめんね。そうなってたら。でも、あの時も言った通り、彼氏ができようが、かなこは私のしん友。しん友だからね。親友で、心友で、信友で。真友で。忘れないでね!私がほったらかしにしてたら怒っていいからね。何かあったら、私が他の友達と仲良くしてるときでもいつでも言ってよ。頼ってよ。そういう仲でしょ。私達が出会えたのは奇跡みたいで、運命で必然で。会えてよかった。会えてよかった。…会えてよかった!ありがとう。いつもありがとう。10年後も私達はきっと、笑いあえてる。笑いあえてなくても、笑いあえる。絶対!! 手紙持ち合って、会おうね。連絡してね。 ずっとかなこのしんゆう りさより」 りさ………。 ごめん………。 ごめん、ありがと。ありがと。
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