知らず嫌い

1/2
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ドアーフ族とエルフ族は仲が悪いと昔から相場が決まっている ドアーフのデイジーとエルフのナシュも(しか)り 彼等は常に競い合い 何かと相手よりも上に立ちたがったていた 「弓は斧よりも強い」 「はぁ!?」 また今日も始まる 彼等の意地の張り合いが 「なっ!?なぜそんな事が言える!」 「決まってんだろ?遠方攻撃ができるからさ」 「斧だって投げれば遠方攻撃だろ!ふざけるな!金髪!」 「あ?飛距離が違うんだよ!筋肉バカ」 「くっ…だったら弓は使用回数があるじゃないか!それに比べ斧は無限に使えるぞ。どうだ!トンガリ耳!斧の方が強いだろ!」 「それは偏見だ。そんな事よりドアーフは背が小さいなぁ。そんな身長じゃ、いつまで経ってもジェットコースターに乗れねーぞ」 「そんな事はない!私だって背伸びさえすれば…」 彼女は負けじと 限界までつま先を立てる 「ほら!お前と同じくらいあるだろ?なめるな!」 「誰が背伸びしろと言ったよ…まぁいいわ。それとドアーフの女ってのはヒゲがボーボーらしいな…お前も毎朝剃ってきてるのか?ん?」 「ぶっ飛ばすぞエルフ!」 411c4ecb-07df-42ff-bc1e-567ae67dbbdc 【斧と弓】 「やれるものならなぁ…ま、ドアーフごときでは俺には勝てん」 「黙れ…デコひろし」 「この龍の骨で造設された弓があれば貴様などイチコロなのだ」 「そんな木の枝がどうした?黙れと言ったはずだぞ、聞こえなかったのかハゲ」 「ハゲぇ!?……貴様ぁ…」 いつもの風景 同じ空間にいるだけで速ケンカ この先何があろうと、二人は一生相入れる事はないだろう 誰もがそう思っていた
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!