裏口拉麺

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 ラーメン屋は今でもやっているが、客はもっぱら人間だ。どうやら宇宙人的にラーメンはダメらしい。 「……やっぱりここのラーメン、うまいっすね」 「ああ、ありがとよ」  こうして喜ぶ客の顔が見られるのも、あの時の男が宇宙人の身分証をくれたおかげだ。きっと彼は未来、いやこの時代を生きるラーメンが好きな男だったのだろう。 「おやじさん、お勘定」 「はいよ」  客が小銭をカウンターに置いて、立ち去っていく。  しかし小銭の量が多い。明らかにお代以上だ。 「ちょっとお客さん」 そう呼び止めたが客は立ち止まらず、背を向けて言った。 「ツケの分だよ」
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