5人が本棚に入れています
本棚に追加
会社から最寄りの駅までは徒歩五分もかからず、隣の駅は総合駅で駅ナカには大型の本屋も入ってる。もちろんそちらの本屋のほうが雑誌の種類は多く取り揃えてあるけれど、私がいつもいくのはその総合駅から地上に出て徒歩五分ほどの所にある一軒の本屋。
向かう先は今月の新刊コーナー。いつも丁寧に一つずつに小さなカードにコメントが書かれている。今日のカードは紫陽花と傘のカードで、四季折々のミニカードもこの本屋ならではの醍醐味だ。
私の推してる作家さんが推進している毎月2冊は新刊を読もうという策略に乗せられて、持ち運びにはあまり適さない単行本が家のクローゼットを埋め尽くされようとしているのにも関わらず、毎月購入してしまうのは、紙で読むのが好きで、紙媒体がなくなって欲しくないと願っているからだろう。一個人が出来ることなど限られているが少しでも貢献出来るならしていこうというスタンスだ。
会社ではペーパーレスを推してるため、ほとんどやり取りはタブレットやパソコンでデーターの保存も紙では保管することがなくなった。昔はよく資料室に必要なのかそうではないのか不確かな資料が所狭しと乱立する所からこのファイルを取ってこいと先輩方に走らされたのも今となってはいい思い出でもある。ペーパーレス化のおかげで視力が落ちる人が増えて、目薬を会社の経費で常備させることにも成功したのが先ほどの上司でもあるわけで、とてもよく出来る人なのでこうやって土曜に呼び出されても足蹴にできないというのもあったりするのだ。
まぁ、兎にも角にも今月の新刊コーナーで、推してる作家さんのシリーズ最新作と、迷いに迷って新人賞を受賞した無名の新人の『皆無』というタイトルの本を選びレジに向かった。
因みに、この『皆無』の一言コメントは。
出会えた奇跡。貴方はそれを皆無と呼ぶ。
最初のコメントを投稿しよう!