雨の悪戯〜Rain DAY〜

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最近家の近くにできたカフェはcaféというよりは喫茶店というのがしっくりくる出で立ちで、カウンター席と、奥にボックス席で3つほどある。テラス席もあるが生憎の雨で今日は使用出来ないようだ。カウンター席に腰掛けてマスターに合図を送ると小さなメニュー表を持ってこちらへやってきた。 「いらっしゃい。マリちゃん今日はなんのコーヒーにするかかい?」 「こんにちはマスター。今日は雨だからいつもより濃いめでオリジナルブレンドをお願いするわ」 そっと置かれたメニュー表に目を落として本日のオススメからコーヒー豆を選ぶ。大体いつもオリジナルを選ぶ私だけどたまにお代わりをするときに豆を変えることがあるからいつもメニューを手元の方へ置いておいてくれる。 「あい、わかった」 まるで武士のように返事をするここのカフェのマスターの増田さん。ほぼ毎週来るようになってきて流石に名前を聞かれたし、私も聞いてしまった。 増田さんの趣味なのだろう。古いレコードがカウンターの片隅でまわってる。今の若い子にレコードといって伝わるのかいつも不安になるが、ドーナツ盤と呼ばれる大きな円盤のもので専用の機械が必要だ。昔の映画ではよくでてくることがあるから一度は目にしたことがあるのではないだろうか?30分に一度裏を返すか、違うものに変更するかしなければならないため今のご時世面倒が多いものにはなる。 カランとドアの上にぶら下げられたベルが鳴って扉がひらかれた。雨の音が大きくなってジャズの音がかき消される。私がここに入ってから雨が降る強まったようだ。私がきた時は止んでいたのにと思いながらも今日の天気予報は外れだなと今朝見たローカル局のお気に入りの気象予報士のお兄さんに悪態をつく。
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