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どんな時も私を支えてくれたのは妹だった。
あの小さな温かい手のひらが、私に勇気をくれたのだ。
でも、いつまでも妹を縛ってはいけない。
私はこれから1人で生きていかなきゃいけないんだ。
分かっている。
決意を胸に、星空を眺める。
あの日のベランダから見た星空よりも煌めいている。
足元からコンクリートの冷たさに浸食されることもなく、野犬の遠吠えや酔っぱらいの大声に怯えることもなく、今こうして焚火にあたりながら静かに、優雅に星空を眺める日が来るなどとは思ってもみなかった。
太陽よりも優しく照らしてくれる月明かりと星の煌めきが、私の心の中を穏やかにする。
流れ星に祈る。
妹が、世界一幸せになれますように、と。
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