理想の母

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「あなた、もしかして千恵美ちゃん?」  小学校からの帰り道、知らないおばさんに話しかけられた。 「私、千恵美ちゃんのお母さんとは幼なじみなの。ちぃちゃんって、聞いたことない? 私のことよ。千代子だから、ちぃちゃん」  おばさんは、目尻に皺をぎゅっと寄せながら、ケーキをご馳走してくれると言う。  少し迷ったけれど、ついていくことにした。単純に興味があったのだ。「ちぃちゃん」という人に。
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