✕✕✕

6/6
前へ
/6ページ
次へ
 鳴り響く雷鳴。  黒い雲が空を覆う。  ――10年前のあの日、ぼくが彼女を階段から突き落として殺した。  愛していた。殺すつもりなんてなかった。  でも、彼女は……。 「姉さんは妊娠していた。あなたの子供を。それをあなたに伝えにいったのに、帰ってこなかった」  10年越しの憎悪を向けられる。  10年前に愛した人の妹から。  10年後に愛した彼女から。  彼女が怖くなり、外へと飛び出す。  その瞬間、眩しいほどの光にぼくのからだは貫かれた。  遠くで叫ぶような声とサイレンが聞こえる。  最期にぼくが見たのは――――。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加