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あの日、十五歳の君はまだ幼さの残るあどけない笑顔で僕にプロポーズしてくれた。
「先生!私と結婚して!」
「いや、十五歳じゃ結婚出来ないよ。」
「じゃあ結婚出来る歳になったら!」
子供の戯言だと思っていたけれど、彼女にこうして懐かれる事に喜びを感じていたのは秘密だ。
「いや、十六になっても無理でしょ。犯罪だ。職を失って路頭に迷う。」
「うううっー、じゃあ、何歳だったら良いわけ?」
「そうだな…十年後。君が二十五で僕が三十五。その時になっても気持ちが変わらなかったら、結婚しても良いよ。」
「絶対、絶対、ぜーーーったい!約束だからね!!」
セーラー服にポニーテールの彼女が眩しかった。
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