10年後のキミから来た手紙

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 結果として。  翌朝、僕は彼女の机に指示に忠実に従った手紙を入れた。  あの手紙が本物だと信じたのだ。  僕は席に座って、彼女が登校してくるのを待った。 「おはよー」    明るい挨拶が聞こえて僕の心臓が跳ねる。  彼女が教室に入ってきた。  その様子を僕はちらちらと覗き見る。    彼女が鞄を置いて、机に教科書をしまおうとした瞬間。    彼女が僕の手紙に気付いた。  その手紙を取り出し、周りを気にしながら中身を読む。    そして彼女は、僕を向いて小さく微笑んだ。  うわあ、あの手紙は本物だったんだ! 信じてよかった!  賭けに勝った僕は、早く放課後が来ないかとそわそわして。  あれそういえば、と気付いた。  そういえば僕、自分の名前書いたっけ?
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