10年後のキミから来た手紙

　誰だって急に"10年後の誰か"から手紙が来たら、まずは疑うよね？

　だってあり得ないじゃん。悪戯に決まってる。
　しかもそれが僕の好きな人からなんて。

　クラスメイトの里穂(りほ)ちゃん。
　笑顔溢れる明るい女の子。
　多分クラスの男子全員好きだし、もちろん僕も好きだ。

　そんな里穂ちゃんから手紙が届いた。
　正確には10年後の彼女からだ。

　学校が終わり、さて帰るかと下駄箱で靴を履こうとした時。
　靴の中に丁寧に折られた手紙が入っていることに僕は気が付いた。

　絶対ラブレターだこれ！！
　僕はそう確信して誰の目にも留まらぬスピードでその手紙をポケットに入れた。
　家に帰るまでの間、それがポケットの中にちゃんとあるか3秒に1回は確認した。

　そして家に着いて手紙を開く。

「明日、立川里穂(たちかわりほ)に告白しなさい」

　そう書かれていた。