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十年後からの手紙
十年の前のキミへ
過去の誰かに当てた手紙を書くことになるなんて自分自身驚いている。
しかし僕の個人的な感傷なんて、わざわざ書き綴っている時間なんて今はない。
端的に伝えよう……。
僕はこの手紙を受け取ったキミにとっての十年後からこの手紙を送った。
本来過去に干渉することは許されないが、その禁を犯してまでこの手紙を送ることにしたのは
このままではキミの身が危ういからである、それも本来キミの時代にいないはずの存在によって脅威に晒されようとしている。
だから急いでキミは自分の身を守る行動を取って欲しい。
具体的にはキミが大切にしている秘密の場所があるだろう?
この手紙を読み終えたらスグにそこへ向かって欲しい。
そこに必要なものを一式揃えてある……それできっとどうにか現状はしのげるはずだ。
最後にきっとキミは、この手紙を書いた僕の正体を疑問に思うだろう。
ああ、それはもっともな疑問だ……。
だか僕はそれに上手く答えるすべを持ち合わせていない……何故なら僕は本来その時代のキミが出会っていないはずの人間だからだ。
もっと時間があれば説明も出来るが、残念ながらそれもできそうにない……。
だから頼む。
キミは騙されたと一度思ってあの場所に言ってくれ。
名も明かせない不審者からの手紙だが、どうか……。
どうか聞いてくれ……。
キミのことを本気で心配している、それだけは間違いの無い事実だから……。
十年後のEより
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