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十年前の私へ
十年前の私へ、手紙を送ります。
看護師国家試験は頑張っていますか。
看護師になろうと思ったのは、病気を治そうと思ったわけでなく、ただ病気と向き合っている一人でも多くの人に笑って欲しいと思ったからですよね。
今、勉強は大変ですか?
国家試験の対策に追われていますか?
あなたは十年後、看取りを行います。
人の看取りは予期していても悲しいものです。
家族を看取るのではなく、仕事として行います。
泣いてはいけません、悲しんではいけません。
笑ってもいけません。怒ってもいけません。
看取った方の生きた時間を讃え、ただ敬意を払ってください。
きっと初めて看取った時は激しく感情を揺さぶられるでしょう。泣きたくなるでしょう。人生に絶対的な終わりがあるという事を知るでしょう。
家族の姿が自分にダブっても、決して泣いてはいけません。
あなたは家族ではありません。
今、あなたが目指している「プロ」とはそう言われるものです。
仕事が終わったら、泣いても、怒っても、悲しんでもいいです。述べられた感謝と看取りに選んで貰った時間を反芻してもいいです。
時間が経ったら笑えるようになります。
今、しっかりと勉強を頑張ってください。
今の自分が十年後の私に繋がっています。
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