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病が世界を振るっている年、とある日、とある時間から。
世界に対し、一つの題材(テーマ)が公開された。
「10年前/10年後のキミへ」
10年という一区切りを記念とした題材(テーマ)は、世界を賑わせた。
沢山の物語(せかい)が投稿(うみだ)され、沢山の物語(せかい)が観測(えつらん)された。
そんなお祭り騒ぎも、あと少しで終わりを迎えることになっている。
何故なら、その題材(テーマ)は数時間という短い期間に行われていることになっていたお祭りだからだ。
もう既に物語(せかい)を描き終わった者。
まだまだ物語(せかい)を描いている者。
沢山の物語(せかい)を観測(えつらん)している者。
きっと、様々な者達が、様々な行動を行いながら祭りを終わりまで楽しむことだろう。
ん?自分はどうかって?
僕はそうだな……
最後まで、このお祭りを楽しんでいこうと思う。
僕にとって、この場所は楽しい思い出も苦い思い出もある場所なんだ。
それが10年という区切りを迎えたことは、とても喜ばしいことだと思う。
10年という月日は短いようで長い。
だって、よく考えてみて欲しい。
10年という時間があれば、生まれたばかりの幼子が、小学校4年生くらいになっている計算になる。
短いというには、少々長い時間だろう。
途中参加で、しかもあまり物語(せかい)を紡ぐことなく、呟くだけだった僕だけれど。
これが区切り。これが、第一歩。
これからは、何かの物語(せかい)を描くことが出来れば良いと思っている。
……想っているだけでは、思っているだけでは。願いは叶うことはない。
思っている/想っているだけでは駄目なのだ。
10年以上頑張り続けた結果、沢山の物語(せかい)を描き出した人を僕は知っている。
楽しい時間はあっという間に過ぎてゆく。
苦しかった/悲しかった/悔しかった時間は中々過ぎにくい。
沢山の物語(せかい)が、沢山の感情が渦巻き続けたこのお祭りも終わりは近い。
宴もたけなわ。
夜空に輝く星のように無数に広がる物語(せかい)達よ。
これからも沢山の物語(せかい)が生まれるだろう。
これからも沢山の人々が物語(せかい)を描いていくことだろう。
そんな人々の一人になれるように、僕は指を動かした。
小さな一歩、ずっと止まっていた一歩が動くのが、今。
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