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今や子供は親にとってだけの宝じゃない。地域の、日本の、世界の宝だ。
教育費も生活費も全て支給されるので、俺の給料が頭打ちでも生きていける。一時期叫ばれた食糧難や水不足も、人口が減ったらなんとなく解消してしまった。
人はあまり外に出なくなったけど、世界はネットワークで繋がり、物流は動いている。
ビジネスパスポートを持たない人にとって、世界旅行はバーチャルなものに変わった。
受付でもらったプログラムをめくると、子供たちの「将来の夢」が載せられていた。
『感染病の特効薬を発明したい』
『世界の困っている人の役に立ちたい』
『みんなが一緒に手をつないで歩ける世界をつくりたい』
そんな立派な夢がいくつも並んでいる。
「アフターコロナ世代」と呼ばれる君たちだけど、そんなに気負わないでくれ。
世界を救うのは自分たちだと思い込む必要なんてない。
誰のせいでもないし、解決できなくたっていいんだよ。
ただ笑っていてほしい。
この世を去る時がきたら「生まれてきてよかったな。けっこう楽しかったよ」
そう思える人生を送ってほしい。
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