ずっとあい死てる

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2020年4月 結婚3年目にして初めての子供を授かった俺たちは、戦々恐々とした毎日を過ごしていた。 笑は妊娠8か月の終わりに入って、出産準備に余念がない。 「ベビーベッド、よし。ベビー服、よし。新生児用紙おむつ、よし」 指さし確認をしながら、一日に何度も寝室を片付けている。 「ちょっと涼ちゃん、あれ取って。ガラガラ!」 呼ばれて寝室に行くと、箪笥の上を指さしていた。 「これはな、キャリーケースっていう立派な名前があるの。ガラガラじゃない」 「いいじゃん、ガラガラで。通じるんだから。はい、サンキュ!」 いつもはデカいだのなんだのと邪魔にするくせに、高い所のものを取る時は当然のように呼びつける。 「いやー準備が大変な時に毎日涼ちゃんがいてくれるから助かるわぁ」 お?珍しく褒められたか? 「毎日3食作らなきゃいけないのは大変だけどね」 やっぱりね。なんか一つは文句を言う、いつも一言多い君。もう慣れたさ。 毎日ご飯作らなきゃいけないし、好きなワイドショーも見れないし、友達と電話もできないし、めったに外にも出られない。 多分今世界中の人が思っていることを、君が代弁しているだけだってわかっているから。
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