2-14

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(東弥side) 久しぶりに5日間学校に通った末の休日の朝、携帯のアラームで目を覚ましたあと身体を起こそうとして、東弥は自らの身体の重さにはてと思考を巡らせた。 隣に静留の姿は見当たらない。 代わりに布団が大きく膨らんでいてそっとそれをめくると、自分の身体の上から覆いかぶさるようにして強く抱きついている静留の姿を見つけた。 「おはよう、静留。どうしたの?」 何か怖い夢を見たのだろうか。 愛しい身体を抱きしめながらとんとんと優しく背を叩き尋ねるが、彼が東弥の胸板から顔を離すことはない。 「…むい… 」 あえやかな声が小さく紡ぐ。 「えっ?」 もう一度尋ねれば、彼はやっと顔を上げてすがるように東弥を見つめた。 「さむい…。おふとん、でられないの…。」 __布団の上でこの体勢はちょっと…。 思わずぐっと息を呑み込む。 大きな瞳は色っぽく潤み、寒さのせいか淡い唇が小刻みに震えていて。 そんな扇情的な表情を浮かべながら、無防備に男の身体の上に乗っているのだ。 全く、彼は自分がどれだけ魅力的で男を誑かすかわかっていない。 今までは静留に対して邪な感情を持たないように必死で自分を制してきたが、もう東弥は先週の夜、自分にそのリミッターを外すことを許してしまった。 だから彼のこのような姿を見て性的な感情を覚えないということはできない。 「静留。」 glareを放ちながら胸板に押しつけられた静留の両手を自身の両手と絡め、子供に万歳をさせるように優しく持ち上げる。 静留は東弥の瞳を見つめ、不思議そうに小首を傾げた。 そのまま彼の方にぐっと顔を近づけ薄く開いた唇を奪う。 「そんなふうに可愛いことしてると、襲うよ。」 「!?」 唇を離し耳元で囁けば、彼は顔を真っ赤にして“ぅー…”、と言いながら東弥の瞳から視線を逸らした。
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