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「…たくさんたいせつにしてくれるの、うれしいの…。でも、僕もしたいから、…えっとね、…やめないでほしいの…。ずっとできないほうが、もっとこわい…。」 __…そこまで考えてくれてたのか…。 再び泣きそうになりながら懸命に語る静留の姿と、彼が語った内容のせいで胸が一杯になる。 彼のことが大切で、恥ずかしがらせるだけならまだしも怯え傷つかせてしまうくらいならば自分が我慢した方がましだと思っていた。 けれどそれは間違っていたのだと知る。 関係を進めたいと望んでくれたのは静留だ。 そしていつだって、このことに関して東弥は彼に背中を押されている気がする。 怖がっていたのはむしろ自分の方だったのかもしれない。その上自分の臆病のせいで静留に怖くないと嘘を吐かせてしまった。 そんな自分を酷く情けなく思う。 「…情けなくてごめん。俺の方が静留を傷つけたくなくて怖がっちゃってた。教えてくれてありがとう。 絶対にやめないから、もう怖くないって強がらないで。一緒に頑張ってくれる…?」 東弥の言葉を受けて静留は泣きそうな表情をやめ、東弥の背中に手を回すとぎゅっときつく抱きついてきた。 「うん。…あのね、…ありがとう。」 そのまま彼の唇が春のように柔らかく笑む。 込み上げてきた愛しさが今にも涙として溢れてしまいそうだ。 「静留、こっちの手は繋いでいようか。」 静留がこくりと頷く。 静留の背中をベッドに預け右手に再びローションを纏ったたあと、東弥は自らの左手と彼の右手を指を絡め合いしっかり繋いだ。 ゆっくりと蕾に小指を挿入する。 「んっ…。」 中は狭く、静留は苦しそうな表情を浮かべながら小さく呻いた。 「痛い?」 苦しみを代わることはできないからとせめて握る手に力を込める。 「…いたくない…へんなかんじ…。」 「そっか。もう少しで全部入るよ。静留はすごく頑張り屋さんだね。」 「…そう、かな…?」 「うん。えらい。…ほら、全部入ったよ。少し動かすね。」 「うん…んっ… 」 眉を潜め不快感に耐えるその姿は美しかったが、早く終わらせて優しく抱きしめてやりたいという思いの方が大きかった。 傷つけないように丁寧に入り口を解した後で、ゆっくりと指を抜く。 「ぁっ… 」 色を帯びた高い声とともに、今度は指が抜けるのを惜しむように彼の蕾が収縮した。 「静留、終わったよ。よく頑張ったね。」 ティッシュで指と彼の中心についたローションを拭ってから彼の身体を抱きしめる。 頭を撫で、執拗に口付ければ彼は嬉しそうに笑って。 「東弥さん、あったかい…。」 そう言いながら、東弥に身体を預けゆらゆらと微睡み始めたのだった。
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