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ベッドの上に静留の身体をそっと横たえるとたおやかな黒髪がシーツの波に広がる。
その中でじっと東弥を覗く彼は、入浴を済ませたせいもあってひどく色っぽい。
さらに今は部屋着ではなく東弥のシャツとカーディガンを纏っているため、ぶかぶかの裾からは白い腿が、広く開いた襟元からは桃色の突起が覗いている。
「静留、すごくかわいい。俺とするってわかっていたからこんな格好をしているの?」
耳元でささやいてから額に口付けを落とせば、静留は頬を紅潮させてピタリと固まった。
もちろん彼が東弥の服を着た理由など部屋着が洗濯中だからに決まっている。それ以外にあり得ない。
「…あの、ね…、…東弥さんの、においだから、…おきにいりなの…。」
しかし次の瞬間不意打ちでそんなことを言われ、東弥は言葉を失った。
見た目だけで十二分に魅力的なのに無意識にここまで男を煽るなんて、いささか無防備が過ぎるのではないかと思う。
「脱がせるよ。」
頭を撫でながら下着を取り去り、次いでカーディガンとシャツの前を開く。
露わにされたなにも纏わない華奢な身体は滑らかで美しく、東弥はたまらずその白い腹部に唇を押し当てた。
「ぁっ…。」
色を帯びたあえかな声とともにぴくりと静留の身体が跳ねる。
同時に、彼の中心が緩く芯を帯びて行くのがわかった。
慌てて局部を隠そうとした彼の両手を覆いかぶさるようにしてシーツに縫い止め、大きな瞳に向け優しいglareを放つ。
「大丈夫、綺麗だよ。隠さないで。」
言い聞かせながらしばらくそうしていると、やがて彼の身体からくたりと力が抜けた。
表情に怯えがないことも確認し、東弥はほっと小さく息をつく。
claimの時にはglareなしでできなくてはいけないが、今はまだこれでいい。glareも使いながらゆっくり、慣れて行くことができれば。
「いい子。」
頭を撫でれば彼は驚くほど無邪気に笑う。
いつだってそうだ。
どんな時も東弥にされる行為を素直に喜ぶその姿は愛しくて、今にも自分の熱を受け入れてほしいという衝動に駆られる。
しかしそれと同時にどうしようもない庇護欲にも駆られてしまうから、結局それを行動に移すことはない。
一段照明を落とし、彼の足を大きく開く。
「ゆっくり触るから、痛かったら必ず言ってね。もっと優しくするから。」
温めたローションを指に纏わせてから不安げな彼の手をもう片方の手で握ると、彼は東弥の手を両手で包み込み、祈るようにぎゅっと握った。
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