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確かに細い何かはよく見ると猫の尻尾に似ていて、その先端に丸っぽい何かがついている。
このワンピースを着ているだけで恥ずかしいのに、さらに大切な場所にこんなものを入れるだなんて…。
「…はずかしいよ…。」
彼の首に手を回すようにして抱きつきながら訴えれば、優しく背中に腕を回された。
「うん。だから無理矢理はしないよ。でも俺は見たいな。ねこさんの耳と手袋だけでもすごく可愛くて、このワンピースもすごく可愛い。しっぽもつけたら、もっとかわいい。お願い。…だめ?」
鼓膜を震わせた吐息混じりの彼の声はキャラメルみたいに甘い。
その上甘えるようにしてじっと目を見つめながらglareを放たれれば、お腹の奥がずくんと疼いて彼の言うことならばと受け入れたくなってしまう。
「だめ、じゃない…。でもこわいから、東弥さんがしてくれる…?」
結局東弥に喜んで欲しくて静留はそれを承諾してしまった。
「うん、ありがとう。じゃあこっちにお尻を向けて…。」
くるりと再び向きを変えられ、鏡の方を向かされる。
同時に四つん這いで東弥にお尻を向けるような体勢を取らされたため、自分が今どんな体勢をとっているのかいやでも鏡越しに見えてしまう。
彼はそのまま静留のワンピースの裾をまくり、後孔の入り口に尻尾の先端を当てた。
鏡の中の彼の瞳に映る光景を考えると、静留は恥ずかしくてたまらない。
まだ外は明るいから、彼の視界には、静留の本来誰にも晒してはいけない蕾も、屹立した性器も、鮮明に映っていることだろう。
「ぅー…。」
羞恥で声を漏らすも、彼が行為を止めてくれることはない。
最近の東弥は少し意地悪だ。
意地悪で、少し強引で…
それでも。
「挿れるよ。苦しかったり痛かったらすぐ言ってね。」
つい先ほど中を充分に広げたにも関わらず、静留が苦しくないように、静留の中を傷つけないように、注意深く静留の様子を眺めてくれたり、
少し怖いと思ったらすぐに手を止めてお腹や頭を撫でてくれたり、
静留が望めば口に出さなくとも甘い口づけを与えてくれたり。
そうやって結局大切にしてくれているとわかるから、静留は彼になら意地悪をされるのも好きになってしまった。もちろん恥ずかしいことに変わりはないのだが。
「終わったよ。静留、よくがんばったね。ほら、みてごらん。すごく可愛い。」
やがて尻尾が全て中に入ると、東弥が優しく頭を撫でながら静留に鏡を見るよう促す。
おそるおそる鏡を見た静留は、驚きで大きく目を瞬かせた。
「ねこさん!ほんもののねこさんのしっぽみたい!!まほう!?」
すごい、と興奮しながら、嬉しくて羞恥など忘れて東弥にぎゅっと抱きつく。
実際にはワンピースに尻尾を通すような穴が空いているだけなのだが、それを知らない静留には本当に自分から尻尾が生えているように見えたのだ。
しかしにこにこしていると突然視界が反転して。
「…静留、ごめん。可愛すぎて我慢できなくなった。」
艶っぽく掠れた低い声が耳元で鼓膜を震わせ、静留はぴくりとからだを跳ねさせた。
「がまん…?」
「うん。今すぐ抱きたい。だめ?」
切れ長の瞳が切なげにこちらを覗く。
ずるい、と思った。
そんなふうにお願いされたら断れるわけがない。
「…あのね、おみみとおてて、つけたままでもいい?」
その言葉が余計に彼を煽ることになるとは知らずに静留がそう返せば、東弥は“もちろんだよ”、と微笑みながら、急くように静留の中から無機物を取り去り、その場所に屹立を埋めるのだった。
ねこのひ 〜fine〜
※お付き合いいただきありがとうございました!
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