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新作宣伝ss(好きって君のためにある)
セレナーデの2人に沈丁花が新しく考えたバース設定を適用したら……という謎の妄想話になります。読みにくく殴り書きで申し訳ありません💦💦
(東弥side)
「アヒルバース……?」
ある日ポストに入っていた送り主のわからない手紙を見て、東弥は首を傾げた。
手紙にはこんなことが書いてある。
“拝啓、東弥様。
この度アヒルバースという設定を思いつきましたので報告させていただきます。
アヒルバースというのは、ダック、ペアレント、コレクターの3種類の性で構成される、空想上の第2性です。
ダックには定期的に発情期が訪れ、発情期中に初めて目にしたペアレントにくっついて離れなくなってしまう、という設定です。
それが鳥の雛の刷り込みに似ていることから、ダック、と名前をつけております。
また、ダックが発情期中にペアレントと性交を行った場合、交わったダックとペアレントは番となります。
番となったダックは番のペアレントのみにくっつくようになり、発情期中はそのペアレントがいないと寂しさから来るストレスで最悪死に至ります。
この設定、どう思いますか?”
意味のわからない手紙だ。第2性は当然DomとSubで構成されるものだし、こんな空想上の設定など考えるだけ無意味だ。
東弥はくだらないとため息をつき、手紙を破り捨てようとする。
しかし、びりびりに破る手前でひとつ、幸せな妄想を思いついてしまった。
__…つまり俺がペアレントで静留がダックだったら発情期中静留がずっと俺にくっついて離れなくなる……?
それは最高なのではないか、と考え、東弥の妄想はさらにリアルになっていく。
※ここからは東弥の妄想になります※
「東弥さん。」
朝起きると、オニキスのように黒く美しい大きな瞳と目が合った。
その瞳の持ち主は、騎乗位を連想させる体勢で東弥の腰の上に乗っており、潤んだ瞳でこちらを見つめている。
東弥は愛しさに頬を緩ませながら、その愛しいパートナーのさらりとした長い髪を、指の先でやさしく梳いた。
「どうしたの、静留。」
問い掛ければ、ぎゅっと東弥の胸に抱きついてきた彼が、“寂しい”、と紡ぐ。
「そっか。発情期だね。終わるまではずっと一緒にいよう。」
彼の背中に腕を回し、抱きしめながら東弥は優しく言い聞かせた。
普段から寂しがりな彼は、発情期が来ると朝起きた時東弥が眠っているだけで泣いてしまう。
東弥は職場に電話して有休を取る旨を伝えてから、静留の身体をお姫様抱っこしてリビングに続く階段を降りた。
朝食の準備をしている間も、静留は背中にギュッとしがみついて離れない。
「準備終わったよ。いただきますしようか。」
伝えれば、静留は東弥が食卓に座るのを待ち、東弥が座るとすぐに東弥の膝の上にちょこんと座った。
それから、幸せそうに“いただきます”、と手を合わせる。
ご飯が終わった後は、静留がピアノを弾きたがったため、手を繋いでピアノの方まで歩き、練習を始めさせた。
弾きにくいだろうに、離れると不安なようで、発情期中の静留は必ず東弥の膝の上でピアノを弾くのだ。
「今日は何を弾くの?」
「んー、さいしょは、あいのあいさつ!」
美しい指を滑らかに鍵盤上で動かしている恋人を見ながら、東弥は少しだけ優越感に浸る。
いつもは東弥のことなど気にも止めずに真剣にピアノを弾いている彼が、発情期間中は東弥に意識を向けてくれるからだ。
音楽の神様に少しだけ勝てた気がして、幼稚な嬉しさを覚えている。
発情期中の静留は、本当に寂しがり屋でかわいい。
お風呂は一緒に入るし、トイレも長い場合には、しりとりなどをしながら寂しさを紛らわせないと泣いてしまう。
だから、この発情期を、東弥は毎回楽しみにしているのだった。
パートナーを愛するあまり彼のこととなると頭が悪くなってしまう、いつもはクールなDomの、イタい妄想話である。
皆様お読みいただきありがとうございます。冒頭にも書きました通り、こちらは新作の設定をセレナーデの2人で書いて宣伝しようという作者の悪巧みから生まれたssです。オリジナルバース設定に挑戦した新作、もしも興味を持っていただけましたらよろしくお願いいたします↓
https://estar.jp/novels/26025850
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