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101.決意 3※
小さな尖りを強くつねられ、息がひきつる。
「や…あ…はぁ…。」
『いや…?』
「乳首……痛い…。」
『痛いくらいがいいんでしょ…?』
「ひうっ…。」
ひねられて悲鳴が漏れた。
「やめ…。」
『嘘つき、ほら…。』
片手が下の方に伸びてくる。
そこは、まったく触れられていないというのに、しっかりと昂ぶりを見せていた。
「はぁ…。」
『ほんと、やらしいなぁ…これじゃあお仕置きにならないじゃん。』
『う…。」
『クスクス…そんな良かった…?』
智は優をにらんだが、すぐさま軽い衝撃が頭のてっぺんまで貫いていた。
乳首はジンジンして痛いハズなのに快感を感じる。
明かな体の変化…
それでも、素直に認めない。
痛くて、気持ちいいなんて俺はどうかしてる。
『そんな顔してもね…。』
ツンっ
「ああっ!」
竿の先を弾かれ声が上がる。
優がクスクス笑っているのが癪だった。
ぺちゃっ…
胸の敏感なところが、ねっとりと温かいものにやさしく包み込まれていく。
「やあん…はぁ…。」
声は止まらなくなっていた。
「ゆ…う…。」
『ん…?』
ちゅっ、くちゅっ、
「あ…。」
『何…?』
息がかかる。
執拗に尖りが濡らされていて、ぺちゃぺちゃとした音が途切れない。
「も…ダメ…はぁ…。」
『ダメって…アンタ何言って…これ、お仕置きだよ。』
濡れた肌に息がかかる。
「優…。」
『だから、そんな顔して甘えたって駄目だよ。』
「やぁ…だ…。」
涙がこぼれた。
逝きたくって仕方がないのに、軀はもっと強い刺激を欲しがって逝きつけない。
『仕方ないなぁ…。』
優…
『そんな顔して…まったく。』
んん…
口づけが与えられ熱く舌が巻き取られた。
くちゃくちゃと濡れた音があたりに響き、しびれた唇と唇の間からは唾液が漏れ出てしたたり落ちていた。
必死にしがみ付いて暴れる舌を絡めとる。
くちゅっ、べちゅっ…
「はぁ…。」
『智が右ね。』
「それ…違っ…う…はぁ…。」
『じゃあ、ずっとこのままだなぁ…。』
「あぁ…。」
そんな…
熱が溜まってこんなに苦しいのに…?
中途半端に快感の波に攫われていて苦しいくらいだった。
俺が自らに伸ばしかけた手を簡単に掴まれて止められる。
イヤイヤと何度も首を振ると、掴まれた手が離れた。
覆いかぶさっていた熱が逃げると、そこに離れていった手が触れ何かが回される。
昂ぶりは紐のような物でくくられてしまった。
「あぁ…ゆ…うっ…やだ…とって…。」
『だめ、勝手に逝っちゃうでしょ?』
「はぁ…ああぁ…ふうん…。」
苦しく漏れ出る息が止められない。
「や…もう…だめ…。」
『右でいい…?』
優の声はことさらに甘い…
俺は必至でぶんぶんと首を振っていたが、もはや、何に対して振っているのかすらわからなかった。
『…まったく、強情なんだから…。』
あきれたような声がして、後ろに指がぬるぬると入れられる。
何をしているか、ぼんやりとはわかっていたが、優しすぎて、もどかしさにのたうち回っていた。
『どうかした…?』
からかってるような、笑いを含んだ声…
『智…?そんなに腰 動かさないで、ほぐせないでしょ。』
誰のせいだと思って…
だけど、そんな強がりはそこまでだった。
逝きたい。
頭の中がそれだけになっていく。
自分でも腰を揺らしているのがはっきりと分かった。
それでも止められない。
ちゅっ、
『智…。』
優が俺をのぞき込む。
からかってる風でもなく、やさしく笑っていた。
優、お願いっ!
『…で、いいね…?』
俺は必死にうなずいていた。
何を言ってるのかなんてわからなかった。
ただ、望みを叶えて欲しくて仕方がなかっただけだ。
『クスッ…。』
すでにそそり立った熱が後ろに突き入れられる。
ズコッズコッっと出し入れが繰り返され、快感の波が一気に押し寄せた。
「あああ…あ…あっ…。」
『はぁはぁ…。』
抉られるたびに全身に力が入ったが、せき止められた熱が行き場を失って狂ったように腰を震わせていた。
『逝っていいよ、ほら…。』
紐が解かれる。
ああ…
途端に訪れる解放感。
気持ちいい…
一気に熱が放流され白いものが勢いよく飛び散る。
優の抜き差しも早くなり、押し込められるたびにビュウビュウとまき散らし、ボトボトと激しい音をたててソファーを汚していた。
『あぁ…はぁ…。』
よく知るうめき声がして奥に熱が叩き付けられる。
それすら気持ちよくって奥がビクビク収縮するのが分かった。
『智…。』
優の聲…
『死ぬまで…一緒だよ…。』
優が 『分かった…?』 と聞いてくるのに笑顔でうなずく。
一緒にいる。
ずっと…
さらに密度を増した部屋の中には、二人の吐息だけが響いていた。
しあわせの木Ⅱ 相愛編 赤紫1~101 終
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