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4.愛の攻防戦2※
「…ごっ、ごめんっ。」
確かに気持ち良かったんだけど、まさか出ると思わなかった。
優は、そんな慌てた俺に構う事無く自分の胸を汚す白いモノをすくい取ると、目の前で クチャクチャ音をたてて長い指に絡ませて見せる。
そして…
あ…なぁっ…/////。
『ペロッ…チュッ…。』
「何してんのっ。」
『智の…舐めた。』
「そんなの分かるよっ、何、何してんのっ。」
優はニヤニヤしながらジッと俺を見つめたて、再び手を舐めようとする。
慌てて止めさせた。
恥ずかしいっ。
『なに慌ててるの…散々飲ませといて、今更、恥ずかしいの…?』
「のまっ……。」
飲ませたって…
それじゃあ、俺が無理矢理飲ませたみたいに、聞こえるじゃないか。
俺は優を鋭くにらんだが、優の方は、どこ吹く風といった具合に、俺に構うことなくガウンを脱ぐ。
それを手に掴むと、胸を汚したモノを拭った。
「くっ…。」
始めから、そうすればいいじゃないかっ。
そう思ったが、よくよく状況を考えると、恥ずかしくって仕方がない。
煌々と照らされる中で、そうやって自分の吐き出したものをわざわざ拭われる姿を、傍で見せつけられるってのも、なんだかいたたまれない。
おまけに、優は全裸だ。
どこを見ていいやら視線に困った。
恥ずかしすぎる。
うす暗がりの中では、あまり気にならなんかった事でさえ、明るい中でなされると羞恥心が勝った。
『さっ、うつ伏せになってお尻出して…。』
「は?…何言ってるの。 あっち行こうよ。」
そう言って起き上がろうとした軀を押さえられ、腰をガシッと掴まれる。
くるっと回転させられて後ろを向かされていた。
「ちょっ、優っ!」
『…。』
後ろ向きになった背中に体温が重なる。
背後から抱きしめられて…でも、それだけだった。
「優…?」
『…ちゃんと見せて、智の軀。』
「何言ってるの…それに、ここはヤダ…。」
『…。』
優は黙ったまま何も言わなくなった。
いや…だから嫌なのはここでするって事で、優が嫌なわけじゃないから。
俺だってするんだとは思ってたわけだし、ただ、ここが明るすぎるだけで…
「電気消して…。」
『…だめ、見えなくなるでしょ。』
そう言うと身動きできないくらいキツク抱きしめられる。
「優…?」
一体どうしたの…?
さっき、優がソファでうたた寝していて、苦しそうに俺の名前を呼んだ。
だから心配になって起こしたんだ。
「何かあった…?」
『…何かって…?』
「変だよ…。」
『そう…?そうかもな…。』
「優…?」
『幸せすぎて…怖いのかも…?目が覚めたら…全部夢だったりして…。』
「!」
意外な言葉に、智は本気で驚かされていた。
優は常に自信にあふれている様に見えていたからだった。
だが、もともと繊細で本気で落ち込むと、半端ないへこむようなところもあった。
高校時代、先輩を先輩とも思わないで、調子に乗って揶揄ってくるかと思えば、甘えてくる。
そんな、けっこう寂しがり屋で甘えん坊な一面を知ってる。
すっかり大きくなったのに中身は変わらない。
それが、智には何だかうれしかった。
智は肩に乗せられた頭をゆっくり撫でていた。
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