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日常 ②
「もうぉ、美亜ったら~。全くグズのドジなんだからぁ………。大切な手紙を夜の校舎に忘れて来るだなんてぇ。あの手紙、来週の月曜日に宅斗に渡すんでしょう?」
「留衣ってば、声が大きいよ。誰かに聞かれちゃったら、恥ずかしいでしょ。」
………と、その時。
2人の会話を遮るかの様に、押し殺したかの様なひっそりとした静かな声が聞こえて来た。
廃校となってしまった柏葉小学校の校門の前で3人の少女たちが話し込んでいる。今年から小学6年生となった、深町美亜とその友人の鈴置留衣と愛田咲良。
「………2人とも。言い争いをしてる暇があるのだったら、早く校舎へ向かおうよ。こんなトコを大人に見つかったら、叱られるわよ?」
唐突に、留衣が咲良に言った。
「そんな事より、どうしてアンタまで一緒にやって来てんのよ?」
咲良は、留衣に答えた。
「………だって、これって、ひとつのサスペンスじゃない。幽霊って言うと、所謂、夏の風物詩だって言われてるし。」
「………………………。。。」
「こんな一大事にスマホ持って来てて良かったかも知れないわねぇ………。」
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