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先ほどの例でいいますと、赤いバラは確かに花ではあるのですが、紅のような赤いバラを思い浮かべる人もいれば、ピンクに近い赤いバラを思い浮かべる人もいるでしょう。
しかしどちらも赤いバラであることに変わりありません。
それと同じで、濃い赤の赤鬼だろうが、薄い赤の赤鬼だろうが――印象は少し違ったとしても、鬼という認識には影響を与えることはないでしょう。
そしてこの少し異なった共通認識が――これを共通認識といえるのかはわかりませんが――ごく稀にではあるのですけれども、概念から大きくはずれ観念になり、それぞれの姿を与えられ、概念とはほとんど異なった形で妖怪化してしまうということもございます。
そうなるともう、別人ならぬ別妖怪でして。私もそうなのですが、もう鬼の仲間にも入れてもらえなくなるわけですよ。お前は鬼じゃない――って。
私の場合、見た目以外の属性は鬼の概念とは異なっておりますが、姿は鬼そのものでございますからまだよいものの、つい先日知り合った雪女さんなんかはひと目見ただけでは、いや、何度見ても雪女だとは到底思えません。あぁ、あなた様にもぜひ会っていただきたい。あなた様さえよければあとで雪女さんに連絡をとってみましょう。お話し好きなので喜んで会ってくれると思います。
少し話しがわき道に逸れてしまいましたね。私、よくやってしまうのですよ。すぐに違う話しへと進んでしまう。道もそうなのですが、会話も方向音痴で……。もう直らないだろうと諦めております。友からも、お前の話しは理解できん! なんて怒られることも日常茶飯事で……。
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