1 週明けの衝撃

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しかし、いよいよ夏期講習最終日。別れは、突然やって来た。 自習室でそっと隣に座った彼から、いつもの通り、互いに視線を ノートに落としたままの会話が、ひっそり始まる。 「数学?」 うん。 頷く玲子の視界の中で、彼も机にノートを置く。 「秋からも、ここに通うの?」 玲子は、素直に小さくかぶりを振った。 「今度来るのは、たぶん冬期講習」 「中学、どこだっけ?」 駅前のこの塾に通うのは、周辺のおよそ三つの中学の生徒がほとんど。 だから玲子も、素直に通う学校名を口にする。 そして、自然な会話の流れで玲子も彼の通う学校を尋ねようとした。 しかし、それが声に乗る前に彼が更に尋ねてくる。 「あのさ、星野さんって、下の名前なんていうの?」 「えっ……」 思いがけない問いに、一瞬、声を呑んだ。 だが言わない理由もなく、玲子は素直に名前を口にした。
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