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わたしの名前は“ゆいり”。八歳。
今日は雲がどんよりして、小雨がずっと降ってる。
でもね。ゆいりは雨の日がすごく好き。
──ピチャピチャッて落ちる雨音。
──雨のツンとした匂い。
──車が走るたびに弾ける水の音。
雨の日はいつもと違う音や匂いがする。
ゆいりにとって、雨の日は特別なイベントだから。
今日も学校おわったし、大好きな『おかえり、バイバイ♪』を口ずさみながら、雨の道を歩く。
──あれ、なんだろ。
大きな水たまりを通り過ぎた瞬間、水たまりに映った人影と目が合った気がした。
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