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1.9カ月ぶりの退院
たとえば今日突然に、俺の短い人生が終わったとしても――悲しみ過ぎる人なんていないように。
もちろん家族や、ほんの少しの友だちは悲しむのかもしれないけど、時と共にその思いもいつか薄れて、 「あいつって、いい奴だったよなー」 なんて時々、ふとした拍子にでも思い出してもらえるなら、それでいい。
(あまりにも悲しみ過ぎて、その人自身の人生がだいなしになってしまうような……そんな存在はいらない……)
最期の瞬間に、自分が生きた一生をふり返ったら、ほどほどに楽しくてほどほどに幸せで、「短かったけど、それなりにいい人生だったなー」なんて、あっさりと笑って逝けるような。
そんな最期を迎えるんだと、俺は子供の頃から決めていた。
(未練を残さずにいられないような、特別な『何か』なんて……俺は、いらない……)
――それが、将来に対する夢や希望を抱くよりずっと前に、現実を目の前に突きつけられてしまった俺の、自分の運命に対する、肩肘張った精一杯の決意だった。
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