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飛んできた目覚まし時計はとっさに避けて「最低だな!女と物は大事にしろ!ドアホ!」と拳骨を喰らわせといた。
私が作った簡単な朝ごはんを食べながら、もう一度説教したら光貴は「覚えてない……ごめん……」と謝っていた。タチ悪い。
「今日は2コマしかなくて、そのあとは研究室にいるから。お前終わったら連絡しろ」
駐車場に車を停めて、私の自転車のある駐輪場へ向かって歩きながら光貴が言った。
「あれ、光貴って学部どこ?もう研究室選べるとこ?」
うちの大学は2年次に専攻を選ぶから、1年生で研究室に通うなんて珍しいなと思ったから聞いた。
「……理学部。選べるとこ」
「へー、文系と理系じゃ、違うんだね」
駐輪場について私が自転車を押してると、自販機の横で光貴が言った。
「じゃあ、ここで待合せ。いい?」
「うん」
私がそう返事すると、光貴がまるで彼氏みたいに笑うから、勘違いしそうになった。
授業のあとで光貴と顔を合わせたとたん、「お前の飯食いたい」などとわがままを言うから、二人で食材を買い込んでから光貴の家に行った。台所を借りようとしたのに、「先にまずヤらせろ」と言ってセックスが始まってしまった。本当に最低だ、この男。
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