04. タチの悪い男

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 翌朝、「光貴、光貴!起きてよ、光貴!」と何度も声をかけたのに、やっぱり光貴は起きないから、放ったらかしてバスで大学に行こうとした。 朝はまだ便があるけど、10時台以降は二時間に一本くらいしかなかったから慌てて時刻表を撮っておいた。  その日、光貴は1コマ授業開始後しばらくして教室に来て、一番後ろに陣取っていた私の隣に座った。 「杏子、お前何で起こさなかった」 「起こしたよ。三度寝くらいしてたじゃん。もう面倒」  私は優しくない。勝手に遅刻すればいい。 「……可愛くねぇな、お前」  セフレに向かって、ベッドの外でも可愛さを求めるこいつが間違ってると思う。 「朝から草木田くんとイチャイチャしてたけど、杏子ってばいつの間にそんな関係になってたのよ」  授業が終わったら、同じく教育学部の友人が話しかけてきた。 「……一昨日……」 「へー草木田くんって地元に彼女いるとか聞いたけど、別れたんだ」 「そうなんだ……」 「そうなんだ、って知らなかった?ごめん余計な事を」  あー聞きたくなかったな。でもまあ、仕方ないか。
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