06. 忘れられない男

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「ああ?セフレ?お前そんな風に思ってたのかよ、最低だな」 「あんた一回も好きとか言わなかったよ!!体だけかと思うでしょ!!!」  つい大声を出して、恥ずかしくなった。 「好きでもないやつとずっと一緒にいないよ、俺は」  月明りの下で、真剣な顔して光貴が言う。そんなの信じられない。 「知るか。俺の事好きならヤらせろとか、知り合った日に言う男のこと信用するわけないでしょ」 「それはお前も同じだろ。その日に股開きやがって」 「うるさい。私はあんたがずっと好きだったんだ!」 「俺はいまでも好きだよ、お前の事」  その言葉に私は呼吸をとめた。  ずっと欲しかったその言葉。  心臓が痛い。 「信じられない」 「だろうね……。確かに俺も、前は言葉が足りなかった……。飛び級までさせてもらって、やりたかった研究を思う存分出来て、それが面白くて仕方なかったんだ。お前を最優先出来てなかったのに、お前はそれを許してくれるから、いつも甘えてた。ごめん……振られて当然だって思ってたから、連絡もしなかった」 「……信じられない」  心臓がうるさい。手も足も痺れてくる。  うれしくて、信じられない。
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