恋かもしれない

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「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」 マニュアル通りの笑顔を張り付けて、マニュアル通りのセリフを再生する。 「ホット。熱いやつ」 電話をしながら最低限の注文内容を口に出し、彼は右手の人差し指でひとつと数を表した。 「かしこまりました。熱いホットコーヒーをおひとつですね、450円です。少々お待ちください」 きっと聞いていないだろうけど、注文を復唱。 背中を向けて注文通り、通常よりも熱いコーヒーをカップに注ぐ。 すると背後からいつものセリフが聞こえる。 「コーヒー買うから」 それを合図にコーヒーをカウンターにおいて精算。 .
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