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今日は、雨。人々が家で過ごす時間が増えるだろう。
今日のように雨だと、庭の手入れや、散歩もできないわね。
はやく、晴れないかしら。
私は、そんな事を考えながら、窓から、外の景色を眺めた。
どんよりとした暗い雲から降り注いだ幾つも水滴が窓を濡らしていく。
ここは、小さな村のはずれの家。雨の日は、村の人達が世間話をしにこの家を訪れる事もないだろう。
この小さな家で1人。本を読んで過ごすか、のんびり過ごそうかと思った時。
遠くの方から誰かが歩いてくる姿が見えた。
傘をさし、スラッと背が高いシルエット。
ゆっくりとピシャ、ピシャと私の家の方に向かって、歩いてくる足音が聞こえてくる。
他の町からやってきたのか、背広を羽織っており身なりがきっちりしている。
格好から男であることがわかる。
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