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手をとると、ルティエルは私が濡れないよう傘を傾けてくれる。
少し散歩でもしましょうか。
貴方のお気に入りの場所を教えてください。
ええ、もちろんいいわよ。
晴れた日によく遊びに行っていた小川。
そこに寝そべり愛犬とのんびり過ごすのが習慣になっていた。
家から遠くなく、雨が降る中、小川への道のりをゆっくりと歩く。
小川に着くと、傘に雨が降り注ぐ、ポツポツという音と、ザーという小川に降り注ぐ雨の音が聞こえてきた。
いい空気に、いい音だ。
貴方は、とてもいい所に住んでるようだね。
ルティエルは、雨の音に耳を澄ませてそう言った。
ええ、私も、雨の日に出歩くのは、本当に久しぶり。
最近、飼っていた愛犬が旅立って、晴れの日の散歩もしなかったもの。
そう、それは寂しいね。
ずっと一緒に育ってきたのに。突然いなくなると、受け入れられなくて。
そこの小川でも、よく遊んだの。
そんな話をしていると、なんだか悲しい気持ちになり泣きそうになる。
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