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ルティエルは、さしていた傘を畳む。
なぜ、傘を畳むの?
泣きたい時は、泣いていいんですよ。
雨が貴方の悲しみも洗い流してくれるでしょう。
雨に濡れば泣いてるのわかりませんし、こうしていれば泣き顔は私には見えません。
そう話すと、私の事をゆっくり抱きしめた。
ルティエルの肩に私は安心して涙を流した。
雨と一緒に、悲しかった気持ちが楽になっていくのを感じた。
ごめんなさい。もう大丈夫です。
そう、よかった。
私は、ゆっくりと小川を眺める。
そこにはら雨が降りそそぎ、キラキラと水面が光って見えた。
雨の日の小川も、こんなにキレイだったのね。
ええ、雨もなかなか良いでしょう。
そう言うと、ルティエルはカバンから一つの種を取り出す。
ステキな場所を教えてくれた今日のお礼です。
この種は私の国でよく咲いている花の種です。
雨の日に植えると、とてもキレイに咲くと言われています。
楽しみにしといてください。
そういうと静かに微笑み、種を植えた。
異国の花を見たことないので、とても楽しみです。
植え終えると、ゆっくりと立ち上がり、傘を広げる。
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