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「だって‥だって‥うぅっ‥‥。」 前に会ったときとは違う声の奥にある感情が涙を誘う。身体全体に温もりを感じた。背中をぽんぽんと叩かれる。 「太れ。今何キロだ。」 「‥女の子に体重聞くんですか?。」 「いや、そういうわけじゃない。ただ元に戻せ。気になるなら少なくとも1キロ増やせ。身体の悲鳴に耳を傾けろ。努力はもちろん大事だが客や俺を不安に思わせるな。」 「でもそしたら重くなってリフトできなくなりますよ。」 夏木さんははぁとため息をつきながら少しぬるいココアを差し出してきた。 「そんなに俺が貧弱に見えるか?」 「全くないとは思いませんが人を持ち上げるって大変だと思います。 「別に重くないから俺がお前を持ち上げるリフトでは体重を俺に預けろ。変に気を遣われてふにゃふにゃされる方がきついんだ。」 「そうなんですね‥‥。でも」 「俺を信用しろ。」 そういうと王子様のように右足を引いて頭を下げ、手に取った私の左手の甲にキスをした。 「それに前の方がきれいだよ。」 そう言い残し公園を去っていった。ブランコで飲むココアは甘く、夏木さんのぬくもりが残った。
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