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 幕が再び上がるとそこは深い闇の中の森の墓地だった。ジゼルが死んだある日の夜、ヒラリオンはジゼルに許し請おうと森に訪れる。その森には白い精霊ウィリ達がいた。ウィリたちの女王であるミルタはウィリ同様白くはかないが、残酷なほど美しく、冷酷なミルタに無表情だ。従えるウィリたちはミルタの命令でヒラリオンを捕らえる。ジゼルを裏切ったヒラリオンは命令されたまま踊り続け、死の沼に突き落とされる。ジゼルもまたウィリの仲間になっており、その中でジゼルを失った悲しみと悔恨にくれるアルブレヒトと再会する。ミルタはアルブレヒトも捕らえ、死に追いやろうとするがジゼルはそれを何とか許してもらおうと必死に懇願する。しかし女王ミルタの命令に逆らえず、アルブレヒトと踊ることになる。ジゼルは自分が愛したアルブレヒトを守りたいとウィリたちの力がなくなる夜明けまで踊りつづけ時間を稼いだ。哀しく美しく踊る二人。アルブレヒトの目は光っている。死んだジゼルと再び踊れる喜びと死んでしまった悲しみが混ざり合う。アルブレヒトの体力がつきかけたころ、カーンカーンと朝を告げる鐘がなった。朝日が昇り始め、次々とウィリたちはめいめい墓へ戻っていく。ジゼルまた朝日を浴びると唯一生き残ったアルブレヒトに別れを告げ、消えていく。はかないほど美しいものに人々は立ち上がって拍手を送る。
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