5/6
前へ
/24ページ
次へ
 ジゼルの村には言い伝えがあった。それは結婚を前に亡くなった娘は精霊・ウィリとなるというものだ。ウィリは夜に迷い込んだ人間や、女性を裏切った男を誘って死ぬまで踊らせるのである。ジゼルが死んだある日の夜、ヒラリオンはジゼルに許しを請おうと森の墓地に訪れる。ジゼルはウィリたちの女王・ミルタによってウィリの仲間になっていた。ミルタはヒラリオンを捕らえ、死の沼に突き落とす。その中でジゼルを失った悲しみと悔恨にくれるアルブレヒトと再会する。ミルタはアルブレヒトも捕らえ、死に追いやろうとするがジゼルはそれを何とか許してもらおうと懇願する。しかし女王ミルタの命令に逆らえず、アルブレヒトと踊ることになる。ジゼルは自分が愛したアルブレヒトを守りたいとウィリたちの力がなくなる夜明けまで時間を稼いだ。アルブレヒトの体力がつきかけたころ、朝を告げる鐘がなった。朝日が昇ると次々とウィリたちは墓へ戻っていく。ジゼルまた朝日を浴びるとアルブレヒトに別れを告げ、消えていく。ハッピーエンドにはならないが、なんとも美しい作品である。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加