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「こんにちはー」
千優が真剣に手を合わせているのを知ってか知らずか、白い花を抱えた女性が千優に声を掛ける。
高い位置で結んだ長い髪はさらさらとたわやかで、彼女のつけている桜の髪留めは千優のブローチの作風とそっくりだった。
「あ、あのー、失礼ですがどなた様ですか? 」
「あら? 私名乗るの忘れてたかしら! 毎日お花はお供えしてるけど会うのは初めてだもんね、ごめんなさい! 私の名前は、柏木咲弥よろしくね! 」
「は、はぁ、えっと、柏木さんはどうしていつも花を供えてくれるんですか? 」
「想いの香りのするお花がいつもお供えしてあるから私もお手伝い出来ればなって! 」
「想いの香りのする花……」
この人はひょっとして危ない人なのかと、千優は訝しがりながら距離をとった。
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