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朝、教室に入った瞬間、それが目に入った。正直、目に入ってほしくもなかった。でも、嫌でも目に入った。
二年三組。オレのクラス。
教室の黒板には、これでもかと大きな字でオレの名前「本宮 一博」と書かれ、その周りに「ヘテロ」「キモイ」「死ね」「変態」「クソヤロー」……などの悪意に満ちた言葉が躍っていた。
殴り書きのようなものから、ご丁寧に、周りをピンクや青のチョークで囲んだものや、立体的に見えるように影が付けられたものまであった。
そしてその文字たちのあいだには、オスとメスのマークが交差したものや、女性器のマークとされているものが、丸と直線で描かれていた。
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