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 ここに居ることに、耐えられなくなったのだろう。安村が静かに席を立った。  ただ、どれだけ目立たないようにしたところで、教室中の視線は安村に向けられている。  ドアへ向かって歩いていく安村を、にやにや顔の大川が止めた。 「なぁ! ホモってどうやってエッチすんの? やっぱ、男のケツに入れんの?」 「おえっ。キモっ」  高畑はわざとらしく口に手をあて、吐く真似をした。 「なぁ! 気持ちいいの? 男のケツって。お前、掘るほう? 掘られるほう?」  さすがにこういう話になると、女子の笑い声は消え、男子の笑い声だけになる。  安村の小さくなった背中が、何も言わず、振り返ることなく……、教室を出ていった。
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