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「あれ、本宮、どこ行くん?」
席を立ったオレに、大川が振り返りながら言った。
オレは「べんじょー」とだけ言って教室を出た。
気分が悪い。
クラスのヤツらのにやにやした顔も、嘲り笑いも。一人を攻撃するためだけに生まれた、あの一体感、何もしようとしない自分自身……。
イライラして、仕方がなかった。
トイレを通り過ぎ、オレは階段に座り込んだ。下からひんやりとした風が、抜けていく。
体にまとわりついている、ドロドロとした教室の空気を、少しだけ浄化してくれたように感じた。
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