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 ふと、どこかで声がすることに気付く。下に目を向け、こっちじゃないような気がした。  上に上がる階段を覗き込む。  ぼそぼそと小さな声が聞こえ、なんとなく感じた嫌な予感が、大当たりした。 「やっぱそうなんだぁー! 私ね、BLが好きなんだけどー。……あ、知ってる? BL! こうゆーのー。 ……ずっとゲイの人と友達になってみたかったんだー。安村君、友達になってよー。周りにそういうコ居ないからさー。いろいろ聞いてみたくって。ねっ! これ、どお?」 「……って……」 「ゲイの人って、どんなエッチするの? やっぱこんな感じなの? ちなみに安村君は、タチとネコ、どっち?」  安村だろう声は、ほとんど聞こえてこない。  ただ、相手の感情を置き去りにして、かなり興奮気味にべらべらと話している女子の声が、はっきり聞こえた。
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