当時の思い出

2/3
前へ
/14ページ
次へ
「桜の木の下にいる君は僕を見ていない。」の主人公の孝太郎の台詞に「僕にとって少女漫画は叶わない理想だから」っていうのがあって、読者の方からも好評を頂いたことのある台詞なんですけど、実はあれは私が昔自分で言った台詞を元にしているんです。 執筆しているとき私はまだ18歳だったんですけど、どうしても忘れられない人がいて…その事に悩んでいた時に辛すぎてふと呟いた言葉が、どうして私の恋は少女漫画みたいにならないんだろう… そう呟いたんですよ。 作品の中でも描かれてるんですけど、少女漫画って必ず好きな人と結ばれるじゃないですか? 私自身も実はその経験がなくて… 街を歩けば、幸せそうに寄り添って歩く恋人たちはたくさんいるのに、好きな人と両想いになったことがある人なんて世の中たくさんいるはずなのに…それが一度も私にはなかったんです。 だから、孝太郎のキャラクターを考えるときそれは自然と思い浮かびました。 たぶん無意識のうちに私自身と重ねて書いていたんだなと、今振り返るとそう思いますね。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加