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一話 人狼ゲームのアプリ
私は優華。巷では人狼ゲームのアプリが流行りである。
「リアル人狼……面白そうだな……」
躊躇わずにリアル人狼をインストールしてしまった。WiFiがないとダメそうだし、また後でやってみようかな!とか、いや待て、これは絶対危ない。アンストしよう。とか。
バスが来ていることに知らなかった私は1便乗遅れてしまった。
優華の家はとても厳しくて、帰ったらまずは母からの「遅れたのはどういうことですか」という冷たい声。鬱陶しい。嫌だ。
そんなこんなで部屋に入った私はアプリを開いた。
黒い画面の右下にはNow Loading。ロードが終わると画面が白くなった。
まるで夜空がじんわりと朝の日に包まれるように。
そこに黒い文字でこう書かれた。
「██県██市旧██小学校に集合」
親には旅行と言って。学校は休校措置を取ってもらって。
煩わしいほどになく蝉。暑さにだらんとなってしまった木々。
全てを掻き回すような電車の音。
うっわー。流石旧校なだけあるわ。錆びたブランコの鎖。原色がわからないぐらい汚れた滑り台。灰色のコンクリ壁。通路の石についた赤黒い血。赫。
「あら、こんにちは」
「あっ……………」
「あらどうも!」
全員の自己紹介と名前決めから。私は優華。赤茶色のショートボブと夏にピッタリのワンピースをきている。今はロンT。
栗のような髪の毛で前髪は目が隠れるほどの長さで意外とショタ(?)の男の子。魁。今はkai。
腰まで伸ばした黒いロン毛と宝石をはめ込んだようなオッドアイが特徴の霞。今はsumika。
高身長でバリバリ体育系な男子。彼方。今はなよた。
2次元から来たような兄弟。片方は金髪に伸ばした片方の毛を赤に染めている男の子。真冬。今は壱。
もう片方は袴パンツが似合う肌も毛も真っ白の子。日傘はアルビノなのでさしてないと大変なことになるそう。星空。今はそらり。
空を操れると自称した20歳の女の子。髪の毛は毛先が赤みがかった紫の毛のお下げっ子夏空咲。今はhANABi_p。
少し遅れてきた19歳の自称プロゲーマー、黒いマスクをしてリュックを背負ったミント色の髪の毛を結いたを結んだ男の子の爽。今はみや。
みんなは私と同じアプリを入れていた。一同は指示通り。教室へと招かれた。
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