0人が本棚に入れています
本棚に追加
二話 はじまりはおわりでもある
教室には黒板がなく、代わりにモニターがはめ込まれていた。
ぷつっ_______。
音が鳴った。と思ったら仮面を被った人が話し出した。
「諸君。まずは『リアル人狼』のインストールありがとう。呼び出されて何をするんだろうか。そう迷った人もいるかもしれない。では呼び出した理由から説明しようか。あなたがたには『リアル人狼ゲーム』をやって頂こうかと思う。」
「ここから出せよ!」
みやは机を強く叩きつけそう怒鳴った。
「まあ落ち着きたまえ。人狼のルールは知ってるかね?」
「それぞれ役割があり、人狼を追い出す。」
sumikaはそう言った。12歳は純粋なんだなぁ。そう感じてしまうのも仕方がない。
「まぁみんなは知っているな。今から指定の教室へ行ってもらい、札を見てもらう。そこには役職が書かれている。役職は村人。人狼。占い師。騎士。そしてトリッカーだ。トリッカーは夜は人狼。朝は村人だ。占っても村人と出るだけ。トリッカーはどっちが勝っても勝ちだ。
「日付とかはどうするんですか?」
「朝は6時から8時まで、会議をする。お昼は処刑会だ。夜は人狼が徘徊し、終わり次第就寝だ。チャイムで呼び出すなら大丈夫だ。」
「一日目の昼はみんなに遺書を書いてもらおう。では、解散。」
遺書……処刑………………。
死ぬのか。帰れることはまず無いのか。頭の中はみなこうだろう。
でもsumikaは違った。夕方に二人で話した。
「私、この世界とお別れしたいんです。」
鼻水をすすりながら。少し嗄れた声で。
sumikaは死にたい。生かしておかないで。だった。
私の部屋は理科室だった。布団と札があった。僕は…………。
時間だ。寝ないといけない。また明日。
最初のコメントを投稿しよう!