運命の人

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ついに運命の人を見つけた。 その人は何もかも理想通りだ。 同じ会社に入社したのも運命だ。 彼は私にも優しく、もちろんみんなにも優しい。 そして実家もお金持ちで、彼自身も将来有望だ。 しかし、彼を狙うライバルも多くいた。 私はこのチャンスを逃したくない。 少しでもライバルと差をつけたい。 藁をもすがる気持ちで、仕事終わりに毎日恋愛成就の神様がまつられている神社にお参りに行った。 「どうか運命の人と一生一緒にいれますように……」 「おやおやまた来たのかい。 なぜ君は毎日ワシに会いにくるのじゃ」 振り返るとそこには杖の付いた高齢のお爺さんが宙を浮いて立っていた。 「お爺さんは…誰?」 「ワシは、この神社に祭られている神じゃ。」 私は驚いた。本当に恋愛成就の神様がいるなんて。 「わたし、どうしてもあなたに会いたくて毎日ここに来ました。」 「なんと、そんなことを言われるのは何十年ぶりかのう。 健気な乙女じゃのう。」神様は、頬を赤くしている。 確かここの神様は女性好きで有名だったという逸話が残っていた。 若い子に褒められるのが嬉しいに違いない。 私はここぞとばかりに、神様を称え褒めちぎった。 「はい、この神社の神様は恋愛の達人だと聞いています。 なので、今若者たちからもとても人気があるんです。 そんな中私はあなたに会えるなんてとても幸運です。」 神様は気分が良くなってきたようだ。 「よし、お前のの願いを聞いてやろう。」 私ははやる気持ちを抑えて神様に伝えた。 「こんなに好きになる人は今までもこれからもいません。 どうか運命の人と一生一緒にいれますように……これが私の願いです。」 「よかろう。その願いをかなえてやろう」 私は、安堵し涙を流した。 「ありがとうございます。神様にあえて本当に良かった。私幸せになります。」私は神様にお礼をつたえると。 「そうじゃな、一緒に幸せになろう。今からお前は450人目のワシの嫁じゃ。もう一生一緒じゃ」そう言って、私の手を掴んだ。
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