1人が本棚に入れています
本棚に追加
木曜日 遼太
仕事終わりに俺は実家に荷物を取りに行った。
家から実家までは車で20分くらいのところにある。
実家に着くとリビングでは親父が新聞を読んでいた。
昨年、定年を迎え、今では嘱託として働いているらしい。
「おい、遼太!」
俺が入るなり、親父は新聞を読むのを止め、こちらを見た。
「お前、明日の店を予約したんか?金曜日だから予約しなかったら混むぞ!だいたいお前が話がしたいって言ったんだから、段取りは自分でしなさい!」
「もう予約してある。」
俺は目も合わさず答えた。
「予約したなら、連絡してこんか。どこ行ったらいいかわからないだろう。」
親父は小言が多い。
「後でLINEする。」
俺はぶっきらぼうに答えると取りに来た荷物を取り、家を出た。
「なんでLINEだ、今、教えるか電話でいいだろう。だいたい最近の若い奴らはすぐ、LINEだとかなんだとか…………」
父はリビングでまだ小言を言っていたが気にしなかった。
はぁ…………
家を出て大きなため息をつく。
結婚するって家族に伝えるのはこんなにしんどいものなのか。
俺は、車に乗り家路についた。
最初のコメントを投稿しよう!