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そんな時、周りの茂みから足音が
瞬間、少女の目が憤怒に染まる
少女は立ち上がる
もう先程のような弱さは微塵も無い
体に力だ入り、目に輝きが宿る
鞘から刀を抜き、構える
茂みからは明らかに人間の物とは思えない、足音
その数はかなり多く、10や20などではない
その全てが出揃い、その全てが少女に殺気を向ける
しかし、少女は怯まない
臆することなく、焦ることなく、静かに、その時を待つ
一匹が動き出した時、少女も動き出した
音も無く刀を振り、一匹づつ切り伏せていく
少しづつ傷を負いながらも少女は止まらない
鬼人の如き戦いをしながらも、しかし、数が多かった
十数匹倒した辺りでとうとう囲まれてしまった
少女は理解した
自分はもう終わったのだと、
刀を鞘に戻し、全てが終わるのを待った
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